最近インプラント治療について、言葉として聞かれた方は多いのではないでしょうか?現在、日本で行われているインプラントの種類は数百あるといわれています。インプラントを植えるということは、自分の歯を一本から全部のいずれか失った歯があるということです。抜いた本数により、ブリッジや取り外しの入れ歯の選択肢があり、それぞれ利点と欠点があります。歯を失う原因は主として二つあります。むし歯と歯周病です。どちらも原因は、磨き残しのばい菌であるプラークです。今の磨き方を変えないで、夢の治療としてインプラント治療に飛びつくと、インプラントもだめになります。歯周病ならぬインプラント周囲炎という病名です。今後、訴訟が増えるであろうと予想されています。
私も適応症を選べば、症例によっては良いものだと思います。ですから、抜いたあとの治療方針の選択の一つとして数多く説明させていただいて来ています。私の両親は、30年くらい前にインプラント治療をしました。母は、はじめは、見た目もきれいで何でも食べられると自費ですから、高いだけのことはあると大喜びでしが、十年で不都合が出てきて噛めなくなり、私が歯科大学を卒業した三日後、歯科医師国家試験の三日前になくなりました。国家試験二日目が初七日でした。有名な先生が治されたしがらみもあり、私が歯医者になったら、私が撤去する予定でした。その後、父のインプラントの一部を私が撤去しました。当時と比べ考え方、技術、材料は格段に進歩しています。両親の歯磨きも不十分だったとも考えられますし、あまり定期検診が一般的ではない時代でしたから、その重要性を両親が認識していなかったこともあります。10年快適だったことの価値観は人により、受け止め方はまちまちかもしれません。
現在のやり方のインプラントの追跡研究では一番長くて、約40年の安全性が立証されています。かつては骨がやせすぎて、入れ歯の安定が悪いからインプラントを入れるという考えが主流でした。今は長期安定性のためには骨が残っている方が有利と考え、歯周病が重度すぎないくらいでインプラントに踏み切ることがある感じがしています。抜歯と同時の埋め込みが推奨されているものもあります。とことん、自分の歯を残したいという、歯周病専門医としてのジレンマもあります。
沼部歯科医院では現在、積極的にインプラントの植え込みはしておりませんが、他院でインプラント治療をなさり本来は、その医院での定期検診が理想と思いますが、いろいろな事情で、検診をお引き受けしている方も複数いらっしゃいます。そのために、私も必要であれば、手技が行える、または、他の先生をご紹介する準備、研鑽は積んでいるつもりです。ご興味ある方は、お気軽にご相談ください。費用はだいたい、一本30~50万円くらいで、上・下の総入れ歯に対応で、それぞれ4~6本植えることが多いと思います。いくら希望しても、お勧めできないケースもあり、診査診断が大切なことは、いうまでもありません。
技術、材料の進歩で、また考え方が変わるかもしれませんが、現在の考え方を書かせて頂きました。